導電グリスの基礎知識

備忘録的に書いておく。
導電グリスの自分なりの知識

・導電グリスとは
主に自動車やバイク向けの製品。
アース部やプラグ部などの端子、接点に塗るグリス。
多くの製品はグリス等の油脂に銅などの電気抵抗の低い金属粉を混ぜた物。
目的としては接点部分の腐食防止。
本来グリスは絶縁体だが接点はネジなどで強く締め付けられ、グリスは押し出されて金属接触され導通する。
(逆に「金属接触が無く」僅かでもグリスが間にあれば導電しない)
ではなぜグリスを塗るかと言うと、雨などの水にさらされる接点部分の腐食を防ぐ為。
導電性と言いつつ、そのままでは導電しない不思議な物体。


導電グリスに金属粉を混ぜるケースが多いのは、接点を締め付けても金属接触しないスキマの部分
に入り込んだ導電グリス中の金属粉が隙間に食い込み、金属接触部が増大する事を期待して。
しかし、数値的にその効果を確認するのは実際には難しい。
 

・導電グリスを使って効果があったというケースの考察
導電グリスを塗る行為=接点を「磨いたり」「洗浄したり」「脱着した」事になる。
そして「その事による効果」がとても大きいと考えられる。
腐食していたり、接点金属部が完全に露出して居なくて接点不良気味だった部分が、脱着や洗浄で綺麗にされ
しっかり取り付けられる。当然だが金属接触が復活改善して効果があったと感じる。
そして、その作業で同時に塗った「○○グリスの効果だこれはすごい!」と勘違いする。


接点に塗って機器や回路の温度が下がったから電気抵抗が下がっているんだという意見もある。
しかしそれは単純にグリスで熱伝導が良くなったからと思われる。
回路の熱は放熱部分が増えれば下がります。きっと内部の熱伝導がグリスで良くなったんでしょうね。
テスターの電気抵抗値が下がったデータがあれば是非見てみたい。
それこそ手放しで喜べるのに。
テスターには決して現れない、あるかないか解らないレベルのほんの僅かな抵抗値の改善で、温度が劇的
に下がるとすればそれこそオカルトだと思う。


・導電グリスを塗る意味。
グリスを塗る行為は剥き出しの金属部である端子の「水分による腐食を防ぐ効果」があるので塗った方が良いと考える。
そのグリスに金属粉が入った導電グリスを使うかどうかは別問題。
個人的にはおそらくそんなに差は無いよなと思いつつ、金属粉入り導電グリスを使った方が気分的に安心。
※ワタクシはこんな記事書いてますが金属粉入り導電グリス否定派ではございません。
 差は無いかもしれないけど気分的に安心出来るから使ってます。


※導電ペーストは導電グリスとは別物。導電ペーストは電気回路を印刷的に作るための物。
 導電ペーストを導電グリス用途に使うと導通が切れない事があり危険。
 スイッチ部に使うとOFFにしてもペーストで導通して切れない可能性や、そもそも導電ペーストでは金属面の腐食保護対策には用途が違う為使えない(グリスでは無いので)。


※接点グリス(接点復活剤)は製品として「接点の切れの良さ(絶縁性)」を重視した物。
 なのでアースなどへ導電グリス用途として使うのは逆効果と言われている。
 とは言え導電グリスも接点グリスも、グリス自体は絶縁体なので結局はそんなに差が無い気もする。
 スプレーの接点復活剤はサラサラした揮発性液体が多いので、腐食保護には向かないと思う。


以上です。
間違いなどあればコメント欄よりご指摘頂けると助かります。